山村力誘発モデル事業
相談実例(FAQ)
■ 平成19年度「相談実例」
- 木登り体験指導および木製カヌー製作指導(秋田県能代市)
- 高能率竹酢液採取装置の解説と取り扱い上の注意(福島県田村市)
- 木製カヌーによる川下り体験および木登り(ツリークライム)体験指導(秋田県能代市)
- 山資源の有効活用方法とネットワークづくり(長野県松本市ほか)
- アブラチャンの採油方法及び栽培方法
- 木炭及び木酢液の生産技術向上についての指導(秋田県能代市)
- CO2削減研究会(長野県松本市)
- 都市と農山村の交流を図り周辺ビジネスを開拓(山形県真室川町)
- 正確で効率的な竹炭焼成方法・竹酢液採取方法の指導(福井県越前町)
- CO2削減研究会「森づくりからエコチケット発行まで」(長野県松本市ほか)
- 炭焼き講習会(鳥取県江府町)
- 新たなバイオマス産業構築の可能性(三重県尾鷲市ほか)
- 「地域資源の生かし方、地域ブランドの育て方」について(山梨県北杜市)
- 商品開発の着想の要点・手順・段取りについて(山形県新庄市)
- バイオマス資源のカスケード利用、エコポイント導入の可能性について(長野県御代田町)
No1 木登り体験指導および木製カヌー製作指導(秋田県能代市)
【相談内容】 常盤ときめき隊は典型的な農山村地域である能代市常盤地区において、地域の活性化と都市との交流によって新たなビジネスの展開を目指した活動に取り組んでいるが、都市との交流事業を展開するために、訪れる人が安全に、楽しく過ごせるように、常盤地区内の公園を活用し、木橋やウッドチップ舗装などで環境整備を進めると同時に、公園の自然を活かして、木登り体験や地域材を利用した木製カヌー製作と水上体験などの体験メニューを計画している。この常盤の魅力づくりのための体験メニューを推進するため、木登り(ツリークライム)や木製カヌー製作の技術を指導していただけるアドバイザーの派遣をお願いしたい。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
ツリークライムの指導とカヌー製作の指導をしていただきました。
ツリークライムについては、イベントを開催するためにインストラクターの資格を取得する指導者を置く必要があり、資格取得のための講習会を開催している団体を紹介していただきました。
木製カヌーの製作については、型枠にスギ材を打ち付ける過程までを実際に指導していただき、完成までの手順をマニュアルとスライドで丁寧に説明していただきました。
今回は、技術指導の他に、ツリークライムや木製カヌーのテーマについて、これらの歴史や国内外の情報などスライドを使用して説明していただき大変参考になりました。木登りやカヌー川下りイベントで同じような地域おこしを実践している北海道での取り組み例などを知り、刺激を受け、参加した隊員もこれからのやる気が湧いてきました。
指導の様子は地元の新聞でも取り上げられましたが、「協力したい」、「一緒に活動しましょう」などいくつかの問合せがあり、活動の輪が広がるといった成果も生まれました。
No2 高能率竹酢液採取装置の解説と取り扱い上の注意(福島県田村市)
【相談内容】高能率竹酢液採取装置の特徴・解説と取り扱い上の注意点、及び今後の竹酢液の用途開発に関するアドバイス。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
これまでの竹酢液採取装置に対する考え方と用途に対する実際の竹酢液の品質管理と採取量の確保、再現性を重視した高能率竹酢液採取装置のコストメリットに関して
- 高能率竹酢液採取装置によるコストメリット
実際の採取量の違いを数字で表す。 従来(炭材=割板・丸)
設備 ステンレス 4本出し 延長20m
竹酢液採取量 夏 約 150L
冬 約 200L
改良型1(炭材=割板・丸)
竹酢液採取量 10月 約 200L
10月 約 230L
改良型2(炭材=割板・丸)
竹酢液採取量 12月 約 380L
12月 約 400L
以上のような結果になりました。
炭材の量は一回の炭化時に1,200Kgから1,500Kgで、採取時間は平均60時間から70時間で行いました。
アドバイザーのご指導に基づく採取装置の冷却パイプの設定位置及び口径と長さの改良により、当初の採取量のおおよそ倍近い採取量の確保が出来たことは、今後の竹酢液の需要に関して大変競争力のある結果になり、同システムを使うことにより品質の安定化にも効果が狙えるというアドバイスをいただきました。
- 竹酢液の安全性に関するメリット
これまで竹酢液の基準に関していろいろな機関において議論されてきましたが、まず大前提になることは、竹酢液を採取するためのシステム上に基準を設けることの難しさ、とりわけ、採取量とコストは市場競争力に大きな影響を持っている。
さらに、製造上の基準の徹底が出来にくい性質の生産現場において、竹酢液採取装置が同一でかつ高能率な竹酢液採取装置で統一されれば、管理上の条件さえ揃えば、すべて同一品質の安心・安全な竹酢液の製造が可能になる。
- 竹酢液の採取方法の統一化によるメリット
現在生産されている竹酢液は、一部の製品を除けば殆ど竹酢液認証委員会の認証品ではないものが市場に流通している。そのため、使用用途が明確でなく安全性にも問題が有るため、より市場性を欠いている。
竹酢液採取の内容が統一され、採取した竹酢液が認証されれば、用途に関しても大きな市場に対応出来るシステムが確立できる。
- 副産物のタールのメリット
木・竹酢液採取に必ず残るタールはこれまで殆ど使途が明確ではなく、産業廃棄物的な扱いで処理に手を焼いていた。
昨今タールの新たな用途が出来ていることから、そのタールも効率よく回収することが今後の炭焼きの現場では新製品を生む資源になることの指導もいただきました。
- 今後の装置に関する考え方
高能率竹酢液採取装置の一番重要な部位の排煙冷却装置部を独立して、排煙煙突部、煙回収部を現地調達等で、高能率竹酢液採取装置の設備費がさらに小さくなれば、竹酢液の市場を確保する速度が早まり放置竹林の解決策の一つになることも指導いただきました。
No3 木製カヌーによる川下り体験および木登り(ツリークライム)体験指導(秋田県能代市)
【相談内容】常盤ときめき隊は、能代市常盤地区の魅力づくりのために、都市などから訪れる人が自然の中で楽しめる木登りや木製カヌーによる川下りなどの体験型メニューを用意したいと考えている。これらを実現化するために、前回、木登り(ツリークライム)と木製カヌー製作のための指導をしていただいた。
常盤ときめき隊ではこの指導に基づき木製カヌーを完成させたが、今回、実際にこのカヌーを使った川下りなどの指導をお願いしたく、再度アドバイザー派遣を要請したい。また、カヌー進水式を兼ねたイベントに併せて木登り体験のイベントも行いたく、前回同様、木登り体験の指導をお願いしたい。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
前回ご指導いただいた木製カヌーは、製作期間約1カ月(1日の作業時間約2時間、実作業日数14日間)で完成し、カヌーの完成を祝うために進水式のイベントを行いました。
イベントでは、地元紙に紹介された常磐ときめき隊のカヌー製作の記事がきっかけで交流が生まれた北秋田市の仲間から借りたカヌーと合わせて2艇の秋田スギカヌーを毘沙門憩いの森内の溜池に浮かべて、パドリングやターンの指導をしていただきました。本格的な川下りを行う前に今回のような湖沼の静水で練習をするように指導いただきましたが、毘沙門憩いの森は、森林の景色もよく、広く、奥行きもあり、市民のカヌー体験コースにしてはどうかというご意見をいただきました。
イベントでは、前回に引き続き、ツリークライムの体験も行い、小山の広葉樹に登り、カヌーが浮かぶ池を見下ろす景色を楽しむことができました。
常磐の地域には、地域の活性化に向けて、徐々にやる気が生まれてきました。冬期間にはビニールハウス内で新たなカヌーづくりを再開する予定です。
No4 山資源の有効活用方法とネットワークづくり(長野県松本市ほか)
【相談内容】2007年10月に造成が始まったNPO法人「いのちと平和の森」では、自分の生きた証しを樹に託して植樹し森に育てます。その森づくりでは伐採した木材や採取した植物を活用し出来るだけ廃棄物にしたくないと考えています。また、横浜市、国立市、日野市など中央線沿線から植樹をしたい人を迎えたり、都市との交流も考えています。
アドバイスを受け、松本から信州の周辺市町村と大学間ネットワークを活発化したいと考えています。更にCO2削減などの環境問題への学習を行い、地域住民に関心の意志が高まるよう浸透させて参ります。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
長野県は、クラフトやチェンソーアートなどの活動が活発ですが、木材価格が改善してきたとは言え、林業は経営的に厳しい状況にあります。カスケード利用とは材としては使用しにくい端材の活用や木粉の活用から始まったそうで、当法人の理念と一致することが分かりました。蒸留装置で得られた精油については歯科材料の可塑剤利用に、芳香蒸留水は樹商品(化粧品)のベースに活用、その過程でリグニン様物質をナノ分子化することに成功、すでに安全性のテストを全て終了し、シミ、シワが薄くなる効果を確認する臨床実験を近々に開始する予定とのことでした。当法人には医療関係者が多いことから、共同実験・研究等を申し入れました。
また、植林活動はCO2削減に繋がるので、排出権売買制度等の研究を大学間ネットワークで開始することもアドバイスしてもらいました。
No5 アブラチャンの採油方法及び栽培方法
【相談内容】アブラチャンの実から採れた油は、昔、灯火用に利用されたとのことです。
アブラチャンを荒廃農地等で栽培して採油するとバイオマス燃料の原料になりえるのかお教え頂きたいと思います。
- アブラチャンの採油方法(実を1s以上採取してあります。)
- アブラチャンの油がバイオマス燃料に適しているかを分析、調査をしてもらえる試験場等
- アブラチャンがバイオマス燃料の原料として利用できる程の収穫量を確保できるかどうか。
- アブラチャンの栽培方法、栽培適地及び不適地。
アブラチャンに関する化学成分的な研究を調べると、別紙のような論文が見付かりました。
アルカロイド、フェノール配糖体、昆虫摂取阻害物質についてのものです(資料1参照)。
アブラチャンの枝葉から得られた精油に関するものはございます。報告によるとテルペン類、酢酸、高級飽和脂肪酸が報告されています(資料2参照)。
本問い合せの目的とする種子油に関するものはみつかりませんでした。
参考になるかどうかわかりませんが、林産資源、特に植物の種子油を燃料として用いる例として桐油の資料を添付します(資料3参照)。参考になれば幸いです。
植物種子油成分の場合、高級飽和脂肪酸が主成分と考えられ、その組成は樹種により違いがあるのではと考えられます。
収穫量や栽培方法などについては、これまでのところ適切な資料がございませんでした。
油の分析では、森林総合研究所でも依頼分析業務としてお受けできます。
※資料1、2、3については省略。
No6 木炭及び木酢液の生産技術向上についての指導(秋田県能代市)
【相談内容】秋田県能代市常盤地域では、地域資源の活用と環境整備、地域外との交流などにより地域の活性化を図ってきました。
平成17年には、地域内の公園に炭焼き窯を製作し、住民有志で「常盤炭焼き隊」を結成。これまで、木炭と木酢液の製造・販売を行ってきましたが、品質・収量の安定化が図られておらず、また、新たに造型炭(松ボックリなどインテリア用の炭)づくりにもチャレンジしたいと考えていますが、製作のためのノウハウが無く、足踏みを続けている状態です。
今後は、炭製品と木酢液の製造・販売を本格的にビジネスとして展開できるように、技術の習得と炭焼きのプロの育成が必要であり、アドバイザーによる指導をお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
アドバイザーがこれまで培ってきた木炭・木酢液の製造ノウハウとその効用等についてご指導していただきました。
製造面については、これまで、同隊員が自己流で行ってきた方法にご指摘いただくと同時に、適切な管理法、木酢液採取に適した温度などについてのご指導を頂きました。特に、精製時の過程の一つである蒸煮(じょうしゃ)の重要性について認識することができました。
当初の予定では、9日に火入れをし、10日には窯出しを行う予定でしたが、アドバイザーより、「炭焼きは何より時間をかけて行わなければならない」との指摘があり、アドバイザー滞在中の窯出しは出来ませんでしたが、蒸煮後の炭化、精煉などの一連の流れについて丁寧にご説明していただきました。
また、窯の形状は作業に適していないということ、煙突については木酢液を採取するには不具合があることから窯の一部改良についてもご指摘いただき、後ほど隊員で改良作業を行う予定としております。
木炭・木酢液の勉強会においては、秋田県立大学木材高度加工研究所の所長とともに、木炭や木酢液の効用と他地域における活用例(住宅への活用=除湿、シックハウス症候群抑制など)のお話をして頂き、今後の新たなビジネス展開に向けたヒントを得ることができました。
アドバイザーからは、「これまでの炭ではビジネス展開は難しい」とのご意見もありましたが、今回の講習会をきっかけに良品質ものを生産し、常盤炭焼きブランドの形成を目指したいと思います。
No7 CO2削減研究会(長野県松本市)
【相談内容】いのちと平和の森造り事業を通じて、都市と山村との交流事業の将来への課題など研究会を発足しています。その公開研究会を会員並びに信州大学・松本大学そして一橋大学の学生も交えてフォーラム形式で開催する予定です。
植林や森林整備はどの程度のCO2削減効果があるのかなど、京都議定書についての詳しい内容の講義をお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
京都メカニズムと植林・再植林の話も詳しく知ることができ、森林整備によるCO2削減効果測定方法と排出権取引の可能性など、自分達の森造りに直結させて、出席者全員は目が覚めるような感激ある研究会になりました。
更に、このような活動が、参加者パネラーからも提言があり、地域通貨への研究へと更に深い研究会開催が求められ、アドバイザーから適格なアドバイスがいただけました。
No8 都市と農山村の交流を図り周辺ビジネスを開拓(山形県真室川町)
【相談内容】当NPO会員が実施している観光キノコ園、ワラビ園を核に都市と農山村の交流を図り、併せて周辺ビジネスを開拓し地域を元気にしたいと考えています。
つきましては、1都市とのネットワークの構築方法、2山菜や有機米などのセット販売等を進める上でのアドバイスをお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
- 情報発信について
紙媒体より口コミ(地上戦)プラス インターネット(空中戦)の活用が有効。地域のファンをつくり拡げる。地域文化を含めた来たくなるストーリーづくり必要など。 - 魅力ある商品づくりについて
統一コンセプト、共通ブランド必要。五感を満たすもの。ニーズを捉え他とちょっと違うものをつくる。その他有利販売手法など。
※現地指導 たらの芽栽培農家で食品としての商品に加えて、端物を活用した観賞用商品の提案等。 - 活動の展開について
ボランティアだけでは動かないが、先ずは志をもってメンバーで各所に小さな運動体を育み、これを連動させるプラットホーム開設運動を進める。地元商工会活動などとの連携も視野にいれて推進することなど。
No9 正確で効率的な竹炭焼成方法・竹酢液採取方法の指導(福井県越前町)
【相談内容】障碍者の雇用施設と訓練施設を運営している社会福祉法人コミュニティーネットワークふくいでは、放置竹林の整備と障碍者の所得保障を目的に自主生産品「門松」の製造販売を行っていた。
回収後の竹の有効活用法を模索していた際に「竹炭」の製造方法の指導を依頼した先が宮崎竹炭生産組合であった。しかし、組合員は2名、70歳以上で組合の存続が困難となっていた。
「障碍者の社会自立の雇用の場を確保したい」という思いと、「竹炭の伝統技術の継承を若い世代につなげたい」という双方の思いが合致し、平成17年6月より組合の建物、機械を無償で借り受け、「竹炭焼成」の技術取得にとりかかった。しかし、市場が求める良質な製品づくりには程遠く、市場競争力をつけるためにも、正しい作業方法(作業準備、作業手順、心構え、道具)、焼成方法(火力調整、窯内温度管理)及び竹酢液採取方法を学び、地域山林の保護と障碍者の作業の場として活用できるようアドバイザーの派遣をお願いしたい。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
「材料選別時から始まっている品質管理」「炭材の水分調整方法」「効率化に向けた作業場レイアウト」「焼成前の窯内チェック方法」「炭材詰め方」「窯の閉め方」「前焚き方法」「自発炭化までの温度管理」「精錬、窯止めまでの温度管理」「竹酢液採集方法」「窯開けまでの温度管理」等全ての項目についてご指導いただいた。
既存方法では良質の製品が出来ない理由まで細かく説明していただき、全ての項目を見直すきっかけになった。常にデータを残し、品質管理をきちんと行っていく必要があると大変勉強になりました。
派遣終了後も温度管理状況を電話で数時間毎に報告し、アドバイスしていただく等、窯開け時までしっかりサポートしていただき、今までよりも硬く良質な炭が出来ました。
No10 CO2削減研究会「森づくりからエコチケット発行まで」(長野県松本市ほか)
【相談内容】NPO法人いのちと平和の森では、森の学習会第4回フォーラムCO2削減研究会を開催します。
研究会は、横浜市・名古屋市と長野県の特に松本市が連携して研究を行う。CO2削減に関するボランティア活動などに参加した場合、そこにエコポイントを発生させる。それを共通チケットに記載し各々の指定したイベントなどで、それをポイントとして使用する可能性について行政サイド、民間サイド双方から意見を出し合うことが目的。その研究会のコーディネーターとして、アドバイザーの派遣をお願いする。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
横浜市副市長からの事例を聞き、他の地域の可能性について活発に意見が交換された。
横浜市は、公共交通機関での活用実践例があり、このポイントへの支払い原資は、市税から支出されていることが判った。
今後、各々の地域がこの原資を、どのように捻出し、ファンド化などに現実化していくか、そこが最大課題となった。
No11 炭焼き講習会(鳥取県江府町)
【相談内容】今年度4月より、アドバイザーの指導を受けて下記の取り組みを行った。
その取り組みが良いかどうかチエックし、来年度、更に良質な竹炭、竹酢を生産し販売するためにアドバイザーの指導をお願いする。
- 作業工程の見直し
- 材料の条件設定ということから商品になる竹炭、竹酢液を生産、採取するには竹齢3年生以上の竹を伐採し使用する。もし、3年生以下の竹を伐採した場合は、燃材として使用する。
- 竹を切断する時は、根桿、中桿、先端桿に分ける。また、詰替え作業しやすい様に3つに分けて積み上げる。
- 窯に詰める際は、中桿を炭材に、先端桿は上木又は炭材に、根桿は燃材に使用する。
- 燻煙処理を行い、含水率の均一化を図る。
- 貯留タンクの購入
炭化毎に異なる竹酢液を均一化するために、貯留タンク1,000リットル〜2,000リットルを購入し、静置する。(6ヶ月) - 炭窯の改良
炭窯の改良は、現地で指導を受けた。
- 炭焼全般について
- 竹炭について、割れがあり良質な炭とは言えない。原因は水分が多いからであり、含水率が20%を超えると割れが入る。良質な竹炭を生産するには、竹を割って乾燥させる事や燻煙窯を作って、燻煙処理を行い含水率を20%以下にすることが必要である。
- 竹酢について、炭に割れがあり良質な竹炭から得られる良質な酢とは言えず、商品化は困難である。竹酢の採取温度は、85度〜150度で柿原の炭窯であれば50時間採取出来る様に温度制御する。竹酢液の静置に問題は無し。
- 竹酢、竹炭の販売について、どの分野で使用する製品を生産するか方向性を決定することが必要である。現在の状況では、農業用土壌改良剤、または調湿用として地産、地消を目指す方が良いと考える。
- 竹切りについて
- 最適な竹切り時期は10月〜3月で、竹の子(成長期は糖分がある)の時期は水分が多く良くない。(適期伐採)
- 切った竹の水分が一定になるには、丸竹に比較して割竹では、先端桿(3ヶ月)、中桿(4〜5ヶ月)、根桿(5〜6ヶ月)
- 竹の含水率について、月1回検査をすると良い。(竹を輪切りで2p切って袋に詰め密封して工業試験場に送り検査する。)
また、1mに切断した割竹を毎日計量する。重さが平衡状態になった時、含水率は12%〜15%になる。 - 切る竹について、1年目の竹は駄目で2年目以降の竹なら良い。しかし、2年目の竹は、竹の子が出来る竹であり、切らない方が良い。そのような理由から、最適な竹は4年目以降の竹となる。
- どうしても切らねばならない若竹や先端桿は、上木や燃焼室手前の燃えて無くなる所で使用する。
- 3年目以降の竹の見分け方は、別紙参照。
- 灰の処理について
- 窯の入り口をこめる時、燃焼室内を検査して泥が入らないようにする。
- 灰を取り出す際は、異物が混入しないようにする。火事の原因とならぬ様に7日〜10日間密封して保管する。
- 18メッシュ網でふるいにかける。ふるい粕は畑等で使用するが、量にもよるがアルカリ成分がきついため約2ヶ月程度植える時期、蒔く時期はずらす。
- 灰の用途について
灰の持っているアルカリ成分をどのような用途で使用するのか知る必要がある。
試験方法(リトマス試験)は、灰100gに水120gを入れて混ぜて試験する。- 竹灰、広葉樹の灰は、食品の中和剤として販売する。広葉樹の種類によってもアルカリ成分は違うし、針葉樹は中和剤として使用出来ない。(PH11〜PH12)
販売する場合は、公的機関で成分分析を行い販売する。 - 雑灰:竹や針葉樹、広葉樹の混ざった灰。線香立て用に販売する。
- 釉薬:焼物用に利用するが、この場合アルカリ成分を抜く技術が必要である。
- ばいせん剤:染物に使用。
- 竹灰、広葉樹の灰は、食品の中和剤として販売する。広葉樹の種類によってもアルカリ成分は違うし、針葉樹は中和剤として使用出来ない。(PH11〜PH12)
- 今後の取組み
更に良質な竹炭、竹酢を生産するには、燻煙処理した竹を使用することや燻煙窯を保冷庫の中古を利用し作ってはどうか。また、販売方法として農業用資材として、地産、地消に取組んではどうか。
使用例(参考)- 竹炭を、田んぼに使用すると保水効果がある。1反当り、200s〜300s。
微生物は、適当な住みかがないと生きて行けないので、微生物の住みかとして最適である。
また、竹酢を、1反当り20リットル〜40リットル(寒中)撒くと雑草の抑制、稲が病気に強くなる。
いもち病は、100倍〜500倍液で散布。カメムシ防除効果なし。
ある近所の農家は、タール分の多い竹酢や、灰の粕を使用して有機米として高値で販売している。 - 柿畑に竹酢を、寒中撒くと地力がつく。実がついた時20,000倍に薄めて3回〜4回散布すると、害虫防除になる。
- 馬鈴薯を植える時、切った箇所に竹酢と灰を混ぜて塗ると、腐敗防止になる。また、大きい馬鈴薯が出来る。
- 堆肥作りに、堆肥が発酵する時は温度が70度〜80度になる。その中に、竹炭を入れると120度位に上がり、発酵が早まり良質な堆肥が出来る。
- 竹炭を、田んぼに使用すると保水効果がある。1反当り、200s〜300s。
No12 新たなバイオマス産業構築の可能性(三重県尾鷲市ほか))
【相談内容】ものづくり実行委員会の活動する地域の社会的背景や状況を現地調査し、新たなる活動方針に対する示唆を得る。また、当委員会が既にアプローチしている以外の尾鷲ヒノキの有効的活用法に関する研究の端緒とする。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
専門分科会会員の新たな発表の場(展示会)についてのご提案があった。カスケード利用とは一般的に使用しにくい端材や木粉の活用を目指しているとのことなので、地域の木材産業クラスターを構築する上で期待できる。
蒸留装置で得られた精油は歯科材料に、蒸留水は化粧品のベースに活用しているとのこと。化粧品はリグニン関連物質の影響でシミ、シワが薄くなるなどの効果があるそうだ。設備投資に見合う収益が得られるかが、導入可能性の判断ポイント。そのためのエコ株券や地域通貨の活用も面白い試みと思った。また、「いのちと平和の森」〜自らの生きた証に木を植える〜の活動は、熊野古道などを有する当地域の文化的、歴史的背景に合致しており、すぐにでも実現可能性があると考えられる。今後連携して活動できればと考えている。
No13「地域資源の生かし方、地域ブランドの育て方」について(山梨県北杜市)
【相談内容】「燻製づくりワークショップ」(「害獣」を「益獣」にをコンセプトに地元産のイノシシ・シカとハーブによって商品化に成功している「四万十の森組合」の燻製づくりの実演と商品化のポイントについてのワークショップ)に参加するとともに、古民家「なかや」の再生現場、及び津金地区の現地調査等により、地域資源の生かし方、地域ブランドとしての育て方についてのアドバイスをお願いする。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
- 古民家「なかや」の再生は、当地を訪れる都会の人々に田舎の魅力を体験を通して伝える効果的なツールとなる。
- 地区内に複数の移住者がおり、NPOを始め様々な活動を実践しており、田舎暮らしを志向する人々にとって示唆に富んだ事例となる。
- 津金地域には、イノシシ・シカのほか、多様な農産物や耕作放棄地などにあるクワ、空家敷地にあるカキなど未活用資源があり、これらの活用が活性化のカギである。
- 本事業主体であるNPOや都市から移住した人々の活用を図るべき。
- 産品の単純な商品化は、多くの産地との競合があることから一味工夫した独自の商品づくりが必要。
No14 商品開発の着想の要点・手順・段取りについて(山形県新庄市)
【相談内容】前回は、観光キノコ園、ワラビ園を核とした都市と農山村の交流方法及び地域資源を活用した商品開発の概観的な指導を受けた。
今回は、地域資源を活かした商品開発の具体的な進め方について指導を受けたい。
具体的には、1商品開発の着想の要点、手順、段取りについて、2地域内の異業種連携の進め方についてアドバイスをお願いする。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
(指導のポイント)
- 需要は、必要性(ニーズ)と好みの二通りに分けられ、好みを満たす資源が付加価値を高くする。
- 地域の資源という物を見つけ出す発想から、消費者の好みを見つけ、開発し、提供することへの転換が必要となる。
消費者の満足を満たす商売をすること、商品を見極めることとノウハウの取得が、今の地場産業に求められる最大の課題である。 - 消費者は、商品に付帯している情報、生産者のメッセージを購入している。
- 地域資源とは、風光明媚な名所・旧跡もさることながら、そこで暮らす人々の生業や暮らし向きのなかにこそ隠されている。等
- 商品にフレッシュかつ魅力的な情報をつけるためにも様々な立場の人の連携が必要であることから、テーマを絞って検討する専門部会だけでなく、全員が討議する場を設け、斬新なアイデアを拾い上げていくように改善する。
No15 バイオマス資源のカスケード利用、エコポイント導入の可能性について(長野県御代田町)
【相談内容】当地域の森林は、昨年の台風の影響で風倒木が多く発生しており、その活用も含めて新たなバイオマス資源、特に廃棄物を出さないカスケード利用の事例を教えていただきたいこと。また、都市・農村交流でのエコポイント等の導入可能性について、アドバイスをお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
御代田町は軽井沢に隣接していることから、軽井沢を訪れる観光客、年間約1千万人の1割を誘致する目的で、浅間山麓から佐久平に至る平原の一部を森づくりの拠点として整備してきました。
今回開催した研究会では、ひのき端材の活用事例、リグニン関連物質を有する化粧品の紹介をしてもらい、比較的交通の利便性のよいところに広大な土地が残っている当地域では、バイオマス資源を活用した産業を集積させることが可能ではないかとの指摘を受けました。また、そのような産業を育てるためには、様々な分野の専門家の協力が必要で、人材を集めるために、もうすぐ定年を迎える団塊の世代を対象に、研究施設付きのクラインガルデンを建設し、田舎暮らしを体験しながら研究開発をしてもらう「ラボ・ガルデン構想」を提唱していると伺いました。
■ 平成18年度「相談実例」
- 竹の利用方法(静岡県浜松市)
- 竹酢液の均質化・定量化・販売対策等について(福島県田村市ほか)
- 滞在型森林療法・里山の癒し(案)
- 竹酢液の諸問題解決に向けて(福島県田村市ほか)
- 竹酢液の定量化に向けて(福島県田村市ほか)
- 良質製品作製のための炭窯改良の指導(鳥取県江府町)
- 樹木製油(コウヤマキ等)の生活衛生医療分野での活用の可能性について(和歌山県高野町)
- 森林を活用した健康づくりの推進について(北海道札幌市)
- 森林セラピーツアーのプログラム・デザイン(北海道鶴居村、釧路市)
No1 竹の利用方法(静岡県浜松市)
【相談内容】平成18年度竹利用サミットを静岡県立大学などの主催により開催します。
内容は、第1部基調講演、第2部竹利用研究成果発表、第3部竹活用先進事例紹介、第4部質疑・意見交換です。
「竹利用サミット」では、より専門的な知識を有する先生方に、地域ぐるみで竹を資源として利活用するため、出来るだけ安価で付加価値の高い製品の製造および流通システム、そのための施策について適切なアドバイスを頂き、全国各地からの参加者により多くの情報を持ち帰っていただき適切な放置竹林に対する対処法と利活用法を学んでいただくことを目的とします。
アドバイザーとして、竹に関して博識であり竹炭製造を日本で最初に手がけた先生、そして、竹の性質を熟知され当社と協同で青竹精密輪切切断機や常温竹微粉製造機の開発に関わってこられた先生をお願いします。
なお、常温竹微粉製造機は、唯一食品や飼料化に用途を広げる竹の加工方法を開発した機械であり、現在、実証活動を行っています。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
放置竹林対策で行き詰まっている用途開発に全国各地(北は福島県、南は鹿児島県)から130余名が集まりました。(600名以上の申し込みがありましたが、会場の都合で絞り込みました。)
アドバイザーによるこれまでの国内における経験談、また海外の事例を踏まえて竹の具体的(生竹の利用法と、燻煙竹他、竹炭の規格化など)製法まで踏み込んだアドバイスが有り、今後、国内各地で竹の有効利用法に関しての大きな影響が期待されました。
No2 竹酢液の均質化・定量化・販売対策等について(福島県田村市ほか)
【相談内容】竹酢液の均質化・定量化・販売対策等について、指導をお願いします。
木・竹酢液については、販路拡大に向けた動きとして特定農薬指定を目指し、関係6団体による認証制度が進められているが、目立った進展を見せていません。
また、竹酢液においては、生産コストや収量の面などから、相似する木酢液との差別化も視野に入れつつ、進展させなくてはならない問題も抱えています。
これらの状況に対し、早急な対応策が求められているところであり、本協議会としては「生産コストを押さえる収量を高める工夫」や「認証制度以上の品質管理」そしてその「販売対策」に力を入れたいと考えています。
この点について、アドバイザーより指導をお願いします。
さらに、福島は、孟宗竹並びに商業ベースで竹炭竹酢液を生産している場所としてはその北限ともいえるところであり、この地域特性を生かしながら、何らかの差別化(他地域と比べ原料(竹)特性がないかどうか、販売先としてはどうか。等)が図れないものかなど、これらの可能性についても指導をお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
- 竹酢液の生産コスト削減に向けた対策
竹酢液の生産コスト削減は、安価な外国産と対抗することはもとより、相似する木酢液の価格との対応策ともなることから、より具体的なアドバイスをお願いした。
その中で最も現実的な方法はやはり「竹酢液の採取量を増やすこと」であり、そのためにはより効率の良い装置の使用は不可欠として、国産や外国産等幾つかの装置及びその使用事例等を紹介いただいた。それによれば装置によっては倍近くに増収するものもあり、実際にそれらの利用が可能となれば液の生産コスト削減は間違いなく、本協議会としてこの「高効率採取装置の利用」について前向きに検討することとした。
ただ、価格的な問題(通常われわれの使用しているものの10倍ほど)もあり、多面的(増収に伴う販売対策等)に十分検討することも同時に申し合わせた。
<対策のポイント>
「高効率採取装置の利用」による竹酢液の収量アップ - 品質管理に向けた対策
竹酢液の品質管理については、「安定化」とそれに伴う「定量化」についてアドバイスを頂いた。
同じ生産現場内においてもわずかの条件の違い(集材場所・焼成窯・時期等)によって成分に違いが生じる竹酢液は、本来が「不安定なもの」と言わざるを得ない。また、何れの生産現場も小規模であることから少量しかストックできないのが常であり、このことが不安定さに拍車をかけている。
この不安定な竹酢液を何らかのかたちで安定したものに改善できない限り、消費者からの支持を得ることは難しい。この対策が液の「安定化」と「定量化」ということになる。この「安定化」と「定量化」に向けては幾つかのステップがあるが、まずは「安定化」である。
<対策のポイント1>
「安定化」(完全なる安定化はないものの、ある範囲内において安定化させる方法)
一定量(最低でも10トン程度)の液を一つの容器内において保管。その中で半年程度静置させる。そのような容器を幾つか保持(可能であれば6基=1ヶ月に1本づつ使用して半年分)し、その容器毎に成分分析を行い、また認証も受ける。このことをもって「安定化」とする。
このためには、まとまった量の液を必要とするが、ここ福島においては「高効率採取装置の利用」も含め、生産者協議会が主体となり「共同のストックヤードの建設」などが有効な手段ではないか。
<対策のポイント2>
「定量化」(安定化対策をとった竹酢液を使用して、農作物などに対して適正な使用量を特定していく)
竹策液の販売に向けて更に重要なのがこの「定量化」である。通常、農薬等の表示を見ても分かるとおり、使用する際にはその使用方法と使用量が表示されているものであるが、巷に出回る竹酢液はまちまちの内容とまちまちの表示に終始しており、消費者の信頼を得るには程遠い状態である。が、液の安定化が図れれば、この問題にも大きく踏み込むことができる。
具体的には、安定化を図った液を試験場なり直接生産現場で実験使用してもらうなり、幾つかの方法が考えられるが、より効率良く進めるには更に抽出の専門家などを招きアドバイスを受けるのが良い。
また、このような手順の中で実際に液の安定化対策に取組む用意が整うのであれば、それを使用しての実証実験については、その引き受け先の紹介も可能となる。
上記のアドバイスに対し、本協議会としてその内容を十分に検討することとはしたが、1の問題同様ある程度の出費が予想される内容であるため、かなり難しい選択が予想される。
しかし、現状打開に向けては何れこれらの問題から逃れることはできず、アドバイス頂いた内容について真正面から取組む必要があるとの意見が大勢を占めた。
- 有利販売(地域性を生かした)に向けた対策
この点については、1及び2に対する対応が可能であれば必然的にそのようになる。また、「1及び2に対して真剣に取組むのであれば、アドバイザーのところに現在来ている竹酢液に対する問合せに対して、その幾つかが紹介できる可能性もある。」との話もあり、会員一同大変に勇気付けられた。
No3 滞在型森林療法・里山の癒し(案)※相談にはFAXで回答。
【相談内容】●事業の目的
34年前、鎌倉の緑の荒廃を案じ、ガールスカウト・ボーイスカウト達の緑の実践と野外活動の場として円覚寺裏山と赤城山南麓にキャンプ場を作りました。
ここ数年は、両地とも近隣の宅地開発による諸問題で活動に支障が生じてきましたが高齢となった隊長やリーダー達の里山暮らしの希望者が多いので、定住できるように現在の赤城キャンプ棟を定住者用シニアホーム(集合住宅)への建替えを考慮中です。
都会人の慢性化したストレス解消のため、CDでなく本物の小川のせせらぎや小鳥のさえずりを聞き、セラピスト同伴で、リラクゼーションとリフレッシュを与え、地域と世代を超えた交流を図ります。
この他にも、成長し様々な資格を身につけたスカウトの活動の場としても、外部からの進入に違和感を持ちやすい山村の人々と、森林を愛する都会人との交流により良い融和が生まれ、必ず里山地域の活性化に大きく貢献すると考えます。
●事業の内容
赤城山南麓にキャンプ場は標高500mのところにあり、東の崖下20mのところに小川があり、西は6m道路と開いておりますが、現在は草むらに覆われております。南は牧草畑で広く開け、北は杉林で、冬は陽だまりで暖かく、夏は小川からの涼風でエアコンの必要は感じません。
ここに宿泊棟が出来れば、永年の私たちの森林ボランティアが地域住民に好意を持って受け入られているため、都会からの人々の長期滞在の生活面での協力は、地元スタッフとして問題なく参加してもらえると思います。
近くに立派な小学校分校があり、ここに都会からの子供を通学させつつ、肥満、アレルギー、糖尿病などの身体的な健康回復を図るとともに、森林の軽い作業や、休耕田の貸し入れの農作業を実地体験しつつ、精神面での健康回復と学習も提供できるのではないかと思います。子供が好きで扱い慣れたボーイスカウト・ガールスカウトの指導体験者によるリーダーシップは、いろいろと問題のありがちな子供たちや親にも良い影響を与えると考えております。
宿泊棟の規模は、私たちの力では10〜20人位の宿泊希望者の受入れが限界かと考えておりましたが、行政のお力添えがあればご指導に従って、人数は限定致しません。
設備への要望は特に無く、なだらかな傾斜地を利用して、半地下のガレージと鉄骨コンクリート作りを考えています。関東平野の眺めが素晴らしく、星空と共に夜景も一際美しいので、3階以上の建物が出来れば、宿泊棟内でも様々なセミナーや活動が企画できると考えております。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
- 現地視察による適地の是非について
現地視察は行っておりませんので、開設場所の適否はお答えできません。ご了承下さい。
なお、文面から判断いたします限り大変良い環境と推察されます。 - 事業について
相談の事業内容を整理いたしますと次のようになります。- 子供達の自然学習、健康回復、山間通学(分校利用)
- 生活習慣病等患者及び予備軍(老若男女)の受け入れ(宿泊棟)
- 里山暮らし希望者向けシニアホーム(集合住宅)
(1)タイプの違う人たちを受け入れ、それぞれのニーズに応えて満足させるには施設・設備機器の充実と、相当数の専門家及びスタッフの常駐が必要です。従ってまず精緻な事業計画書を作ってください。医療行為や介護行為を行うのか否かも決める必要があります。
(2)子供やシニアを受け入れる場合、当該地及び周辺環境の善し悪し以上に、不意の事態に即応できるシステムが準備されていなければなりません。たとえば次のような点です。- 自然災害への対処。大水や地震等の被害が続出しています。大勢の人を預かるのですから開設地までの経路が安全かどうか、避難するとき無事に出来るかを確認する必要があります。
- 病気や怪我人が出たときの、病院への搬送手段や搬送時間等も調べておくことが重要です。
当該事業には事業者側の管理が必要な事業(成人病等改善)と自由を満喫させることが必要な事業が混在していますので、その運営に注意してください。 たとえば“自然を堪能すること”や“癒し”がコンセプトならば、盛りだくさんのイベントやカリキュラムを用意したり参加を強要しないことが重要です。グループ活動が頻繁だとやがて息切れして、事業が頓挫するおそれがあります。ハード面もソフト面も初めからコンクリートされていると、参加者それぞれの個性や希望が生かされず、必ず脱落者が生じます。
また、テーマパークのような環境はご趣旨からして好ましく有りません。「地域づくり」に最も必要なポイントは「自然体」「自由度」と「自らの発意」を喚起することです。特に定住希望者に対してはこの点に気をつけてください。
(4)周辺環境の調査について
現在良好な環境でも将来周辺が開発され賑やかになったり、ゴミの不法投棄場所になる恐れもあります。(山林への不法投棄は凄まじい勢いで広がっております)周辺の環境調査(在住の人々から情報を得たり、当該自治体の建築課・都市計画課などで調べる)を周到に行い、問題が起こったときの対処方法も予め想定することが肝要です。
また参加者が自由行動したときに危険な箇所や迷いそうな所はないか、調べておくことも必要です。
(5)施設の建設について- 山林造成の場合、北側斜面の場合には盛り土、南側斜面では切り土で行われることが多く、盛り土の場合崩落が心配されます。造成方法を確認してください。
- 周辺環境が素晴らしいならば、環境保全のため、そこに建設される施設も自然に馴染む形状・デザイン・色彩でなければなりません。また、風土・風俗とは地域文化そのものです。
そこへ文化の異なる様々な人が出入りすると必ず文化摩擦が起こります。主催者並びに参加者側に地域文化を尊重し融和していく心構えが必要でしょう。
No4 竹酢液の諸問題解決に向けて(福島県田村市ほか)
【相談内容】- 安価で高収量の見込める装置の開発に向けて
- 小塚製炭試験地跡の活用に向けて
- 安価で高収量の見込める装置の開発に向けて
性能の良い採取装置を使えば収量は2倍近くにもなることから、どのような構造とするのが良いかアドバイス頂いた。
土窯による製造現場においては、ステンレス煙突を延長することで"自然冷却"のかたちで採取することが多い(この地域では現在もこのかたちが主流)が、近年冷却装置付きのものが出ている。国内はもとより、海外において(特に台湾等)も研究がなされ、その性能も千差万別である。ポイントは"いかに効率よく冷却するか"であるが、水冷式が一般的である。問題はその構造である。
大きさは同様でも、冷却部分の構造如何で採取量にかなりの差が生ずる。現在まで数種類の採取装置製造に関わってきたが、台湾製はかなり優秀である。(写真により、その外観と内部構造を見せて頂く)
ただ、使用材が高価であることから価格的に決して安くはない。安価で高性能の採取装置とするためには、材料費を可能な限り安く抑えつつも、性能を落とさない工夫が必要である。(そのポイントとして、螺旋構造の考え方について、アドバイスを頂いた。)
引き続き関連して、竹炭に関するこれまでの流れや現状について、データとしてまとめたものを織り交ぜながらお話を頂いた。竹の割れに関する事柄、炭化過程(1次炭化、2次炭化)の違いによる炭質の違い、更にこの違いを製品に反映させ商品化を図っているもの、またその可能性のあるもの、今後可能性のあるもの等々。今後、竹酢液製造に伴い産出される竹炭の製品化に向けても、広くアドバイス頂いた。 - 小塚製炭試験地跡地利用について
(一部、小塚に関する資料を示されながら)この歴史ある施設も、現在では当時の関係者も高齢でほとんど残っていない。失われた歴史としないためにも、手遅れとならないうちに資料はまとめておくべきである。また(木や竹といった)素材の違いにとらわれることなく、炭産業界全体の活性化を図る観点から、様々な炭の存在とその可能性の情報発信基地として、開かれたものとして活用していくべきである。
No5 竹酢液の定量化に向けて(福島県田村市ほか)
【相談内容】- 特定農薬指定の可能性
- 木酢液と竹酢液について
- 定量化について
- 小塚製炭試験地跡地利用について
- 特定農薬指定の可能性
現在、認証協議会において特定農薬指定に向けての取組みを進めている木、竹酢液であるが、指定に向けてはある程度楽観的な観測を持っている。様々な検証が行われている中、最大の問題はアルデヒド類の取扱いであるが、検体の一部を除き殆どは問題にならない程度の含有量である。通常の土窯製造のものであれば、基本的に問題はないと思う。 - 木酢液と竹酢液について
微量要素の集合体である木・竹酢液について、細かく見ると相当数の成分が確認できるが、一部を除き、実際に有効なものとしては分量が多く確認できるものに限定される。また、木酢液と竹酢液との単純比較ではほぼ同様のものと見ているが、成分的に殺菌作用は竹酢液の方が高い可能性がある。
“相違点”ということで見るのであれば、原材料の違いもさることながら“製造過程の違い”が最も大きな要因となる。窯の形式や炭化方法こそが問題である。 - 定量化について
木・竹酢液の安定化を図るためには、一定期間の静置保管を行うのが最善策である。
静置期間を取ることでフェノール類とアルデヒド類の重合を促し、有害成分といわれるものを徐々に分離させることができる。なかには、これらを蒸留等により取り除こうとするものもあるが、このような場合でも抽出間もない液を原料とした場合には重合反応が起こりやすく、安定したものとはならない。蒸留を行う場合でも、静置保管したものを原料とすることが大切である。
また、蒸留精製は有害成分の除去が目的ではあるが、同時に有効成分も失う可能性が高く、必ずしも有益な方法とは限らない。用途目的に合わせ対応することが肝要。
また、定量化をはかる(使用基準をつくる)上で心がけたいのはその倍率である。通常一般的には濃度の濃いものが効果が現れやすいが、様々な実験結果から、こと木・竹酢液に関しては、特に農産物等に使用する際は希釈倍率を高くし、薄め(500〜10,000倍)に使用設定することである。濃すぎることで結果を悪くすることは稀ではない。 - 小塚製炭試験地跡地利用について
近現代の炭の歴史を語るとき、小塚の名前は必ず出てくる。この歴史的遺産を後世に伝え残すのは現在の我々の使命とも考える。協議会がそのような方向でこの跡地の利活用を検討していくのであれば、現在ではまとまった資料とてなく、当時を知る人も殆どいない状況ではあるが、逸散した資料の収集や当時の状況を調べるなど、可能な限りの支援は行いたい。
No6 良質製品作製のための炭窯改良の指導(鳥取県江府町)
【相談内容】柿原炭生産組合では、集落の事業で炭焼きをして、竹炭、竹酢を販売しています。昨今、販売が減少し困っております。燃焼室を作れば、良質の製品を作ることが出来ると聞きました。
ついては、アドバイザーに燃焼室作成の指導をお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
アドバイザーからは、以下の改善を指摘されました。
- 作業工程の見直し
- 材料の条件設定ということから商品になる竹炭、竹酢液を生産、採取するには竹齢3年生以上の竹を伐採し使用する。もし、3年生以下の竹を伐採した場合は、燃材として使用する。
- 竹を切断する時は、根稈、中稈、先端稈に分ける。また、詰替え作業しやすいように3つに分けて積み上げる。
- 窯に詰める際は、中稈を炭材に、先端稈は上木又は炭材に、根稈は燃材に使用する。
- 燻煙処理を行い、含水率の均一化を図る。
- 炭化温度を管理するためセンサーを設置する。
- 貯留タンクの購入
炭化毎に異なる竹酢液を均一化するために、貯留タンク1,000g~2,000gを購入し、静置することにした。(6カ月) - 炭窯の改良
- 燃焼室の作成
炭焼き毎に、竹炭、竹酢の品質にバラツキがありました。それは、窯の温度の上昇速度が原因と考えられるので新たに燃焼室を設けた。また、排煙口も狭く吸い込みが悪いとのことで改良した。燃焼室を設け出入り口を大きくしたことが、燻煙処理に転用できるようになった。従って、同一の窯で燻煙処理と炭化が実施できるようになった。 - センサーの設置
窯の温度が把握出来て温度管理が容易になるが、予算上の問題もあり今回は見送ることにした。 - 燃焼室作成での無形効果
燃焼室の土間をレンガ構造にするとともに、燃料容積を規格化した。そのために、燃材料と燻煙カロリーを一定にすることが可能になった。このことにより灰に泥が混じらなくなり、その灰が高値で販売できるようになった。
- 燃焼室の作成
No7 樹木製油(コウヤマキ等)の生活衛生医療分野での活用の可能性について(和歌山県高野町)
【相談内容】当高野町は林野庁が進める「森林総合プロジェクト」第2期森林セラピー基地登録に応募、平成18年8月2・3日「生理実験」を実施し、現在認定の可否を待っている状況です。
森林セラピーによる地域づくりを実施する上で、町の木であり、また、秋篠宮親王悠仁様の御印であるコウヤマキを特に、生活や医療衛生分野で有効利用できないかと考え、現在試験的に、協力戴ける企業とともに、生花として利用する際に出るコウヤマキ屑から精油の抽出を行っております。
- コウヤマキ精油の利活用に向け、樹木精油の一般的な知識、コウヤマキ精油の活用の可能性、具体的な利用方法について
- 森林セラピーで活用できる樹木精油の活用方法について
- コウヤマキの生産現場について
- コウヤマキ精油抽出工場について
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
- 高野町中央公民館にて「森林の香り、木材の香り」をテーマにした講演会を開催。
コウヤマキ精油には、セドロールという睡眠を誘導するまたリラックスする物質が含まれていることを教わる。また、コウヤマキについては、(殺蟻剤としての利用以外)ほとんど研究されておらず、研究価値が高いとの話を聞く。
具体的なコウヤマキ精油の利用方法として、精油として希少価値があることから、アロマセラピーオイル等精油としての販売が妥当。副産物の芳香蒸留水は、石鹸に加工するのが望ましいとの指導を受ける。また、石鹸に加工する際には、事前に刺激性物質が含まれていないか、安全性試験が必要との指摘を受ける。 - 森の中に入らないと森林浴効果は薄い。また、針葉樹林では、夜間の方がフィットンチッドは多く、朝もやの散策が効果的。フィットンチッドは林床にたまりやすい性質がある。(垂直分布を測定した結果、林床から約40cm付近の濃度が高い。)針葉樹林には、α−ピネンが、広葉樹林にはセキスペルテンが多い等の森林セラピーを行っていくうえでの参考となる話題の提供を受ける。
- 生産現場の視察では、コウヤマキの初期成長の遅さについて指摘を受ける。(大量生産に向かない。)
- 抽出工場の視察では、抽出窯の大きさについて指摘を受ける。(小ロットに対応できる窯が必要。)
No8 森林を活用した健康づくりの推進について(北海道札幌市)
【相談内容】当団体は、北海道の豊かな森林を総合的に活用した健康づくりを推進していくことを目的として平成18年3月に設立されました。
今後、各種の取組みを本格化させていくに当たり、アドバイザーから次の事項について、指導をお願いしたい。
- 我が国及びヨーロッパにおける森林療法の取組事例
- 地域で森林を活用した健康づくりに取組んでいく上でのポイント
- 健康づくりのために森林をどのように役立てていくのか
- 対象者毎にどのようなプログラムを提供していくのか
- 地域の関係者とのコラボレーションをどのように進めていくのか
- 森林を活用した健康づくりに直接関わる人材の育成
- 当団体の活動に関する具体的なアドバイス
森林療法の経緯と現況、対象と目的、内容、学会における研究・調査、森林療法に取り組むに当たっての留意事項等について、指導いただき、森林を活用した健康づくりに関する理解が深まり、また、森林療法の持っている可能性だけではなく、課題を認識することができ、当ネットワークの各種の取組を推進するに当たって大変参考になりました。
No9 森林セラピーツアーのプログラム・デザイン(北海道鶴居村、釧路市)
【相談内容】「山崎山林」は、森林セラピー総合プロジェクトにノミネートされ9月に本実験が終了し、来年度4月の認定を期待しております。
北海道内の森林セラピー推進のために、北海道の中での森林セラピー、山崎山林の中での森林セラピーのあり方、進め方、森林セラピーツアーのプログラム・デザインについて講演をお願いします。
【アドバイザーによる指導のポイント、改善点等】
現在、森林療法・森林セラピーとして、多くの場所でそれぞれのツアーのプログラムが組まれています。それは、それぞれの地の特色・システムによるものが大きいです。森林セラピー基地認定に係る実験によって、山崎山林が科学的なエビデンスのもと、森林の癒し効果があることが認められました。その森林セラピー効果だけに頼ることなく、山崎山林のフィールドとしての魅力・特色・システムを活かしてのプログラム・デザインが最も大事です。その中の一つとして森林セラピー効果があるのです。他の地でのメニューをまねるのではなく、山崎山林の強みを活かしたメニューを作り、他の地との差別化を図り、何よりもニーズにこたえる弾力性を持ったメニュー、それに応えられるガイドスタッフの育成が最も大切です。