人口の3割を超えた
定住促進活動
籠ふるさと塾
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籠ふるさと塾から定住の道へ
新規就農希望者は、推進委員会との話し合いや、1週間程度の各農家での実習をしながら、籠ふるさと塾への入居を判断する。入居期間は1年程度とし、その間に農業実習をしながら地区の生活、文化を理解するとともに、推進委員会の支援を受けて、農地や住宅の確保に努めることになる。
支援する推進委員会には定住促進班、実習体験班がある。ふるさと塾入居者や農業体験希望者の農業実習の面倒を見たり、農地や空家のあっせんを行ったりする。体験・実習は1週間〜1年、体験型はいわゆるグリーン・ツーリズム。体験を終えて実習を希望する場合もある。
また塾には開設地区長や近隣の区長、地区住民代表者、推進委員会代表者ら10人でつくる籠ふるさと塾運営委員会があり、事務局は町役場色川出張所職員が兼務して研修者の受け入れや使用料の受け取りなどを行っている。

役場色川出張所主任で、ふるさと塾事務局長の浦勝良さん
事務局長の浦勝良・色川出張所主任は新規定住者がこの地を選んだ理由について、「温暖で1年中農業ができる。陸の孤島と言われ不便なところだが、その分、土地の値段が安いことで移りやすかった」という。山に囲まれているが、かつて鳥獣害はなく、対策は必要なかった。7、8年前からサルによる被害が問題になっている。
世帯用の滞在施設は1カ月1万500円。生活用具は持参、電気・ガス代は自己負担になる。単身者用施設も1カ月1万500円。短期滞在は1人1泊1050円。
施設利用は平成8年に延べ5030人を記録した。ここ数年は同3000人前後の利用になっている。
学校を守った新規定住者
昭和52年から始まった新規定住者は、平成18年4月時点で55世帯144人。地域人口の3分の1にも達する。しかも若い家族が移住したため、25人の在校児童・生徒の8割強が新規定住者の子供たちである。車で地区内を走行中、保育所の子供たちの散歩に出会って浦事務局長は「新規定住者がいなかったらこんな風景もなくて、小・中学校も廃校になっていたかもしれない。地区が定住者を受け入れたことで学校も守れたし、集落機能や地区の農地を維持できた」と話した。
定住者向け「ふるさと定住促進住宅」

「緑の雇用」の家族が暮らすふるさと定住促進住宅
新規定住・就農の一番の問題は農地の取得と住宅の確保である。売買可能な農地は少なく、また空家になっていても貸借や売買はなかなか進まない。町は平成7年度から町営ふるさと定住促進住宅を合計9戸建設している。家賃は1カ月1万5000円。
新規定住者の中には緑の雇用による林業技術者も5世帯いる。住宅は籠ふるさと塾と同じ敷地に建てられた一戸建て。「集落の行事も参加してくれるし、若い人が身近にいてくれるので心強い」と同じ集落のお年寄りが話していた。
有機農畜産物を特産ブランドに

有機農産物に取り組む人たちの集荷施設、直売所
新規就農者の農業経営は、水稲、野菜、茶、梅、養鶏などの有機栽培、自然農業を柱にする。仲間が集まって共同出荷も可能になった。農産物の直売所も新設した。
地区内のさまざまな活動も盛んになっている。伝統的な特産物・茶を使った茶摘み交流体験。手もみや釜炒りも体験した。棚田景観を守るために休耕田を復旧した米づくり体験イベントにも多くの人が参加した。地区ぐるみの運動会が籠ふるさと塾の旧小学校運動場で盛大に開かれる。新旧住民が一体となってふるさとの景観、文化、伝統を引き継ぎ、共に地域の活性化を目指している。

地区ぐるみ運動会

お茶づくり、新旧住民は一体で楽しむ

活動は広がり、荒地になっていた棚田の復活に取り組む
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